スタークラフト2を極めるのは難しく複雑なゲームですが、観るのはそこまで難しくありません。特に観ている時はプレーしているわけではないので、グローバルスタークラフトリーグ(GSL)かワールドチャンピオンシップシリーズ(WCS)を観る際は比較的容易です。プレーしている時は色々な事を考えてやるのでゆっくりと全体を眺めている時間がありません。観戦している時はたくさんのビジュアルエイドがありキャスターが視聴者の為に色々な事象をこと細かく説明してくれ、さらにたくさんのビジュアルエイドがあるので他のeスポーツよりも観やすいです。本ガイドはスタークラフト2を分かりやすく観るために用意しましたので、最後までお付き合いください。 リプレーを観る際にプロフェッショナルマッチと同じ特定フォーマットを使用しますが、プレーしない人にとっては不要な物でもプレーした事があり過去の失敗から学びたい人には役立ちます。ビジュアルエイドはどちらかと言うとシンプルで、あまりスクリーン内のスペースを取りませんし、どれが何を示し番号の意味が分かればスタークラフト2を観戦するのが容易になります。例えば画面左上には様々な情報が示されていて、プロダクションタブ(生産しているユニット、施設やテックリサーチ)がそれぞれのプレーヤーに用意されています。プレーしていないと理解するのが難しいですが、これはプレーヤーがゲーム内でどの様なリサーチをしているのか、またはビルドを目指しているのかが分かりますので、これを観れば各プレーヤーのイニシャルビルドオーダーや他のプランが分かります。プロダクションタブはユニット/資源ロスを示しておりどれくらいのユニットをそれぞれのプレーヤーが保持しているのかなど普段あまり見られていないオブザーバーグラフィックを表示しています。 スタークラフト2をプレーしている時にHUDというのがあり、スクリーンの下を回っていますがミニマップとゲーム時間が画面左下にオブザーバーモードとして表示されます。このオブザーバーモードを使っている時に直感的なHUDとしての役割を果たしますので、オブザーバーのHUDが左から右へ動いたときにマッチスコアを見てシリーズのベストゲーム(BO(X))が分かりますし、所属チームのプレーヤー用エンブレム、名前、カラーや使用している種族の描写などのプレーを知る事ができます。ゲームが盛り上がってきた時、プレーヤーカメラが右側にポップアップしますが、これらは必ずしも重要ではありません。プレーヤーが作業ユニットであるドローン(ザーグ)・プローブ(プロトス)・SCV(テラン)などを大量に失っている時、小さなタブがミニマップの上に表示されている数が減っていき、キャスターが損失による影響を説明してくれる場合もあります。時には後どれくらい相手の作業ユニットを削れば形勢逆転できるかなど予想してくれる時があります。このキャストがいつも大事という訳ではないのですが、情報の1つとして知っておくと良いですしシーンが盛り上がる瞬間などにもつながる時があります。画面に表示されている情報は左端にほとんど集約されています。そうする事で対戦相手の色や情報など今までの進行経緯を把握する事ができ何を観ているのか理解する助けとなります。続いては左から右に向けて情報欄を整理しながらご紹介します。先ずはサプライですが、これは白色で表示されビューワーにどれくらいのユニットを両プレーヤーが保持しているか教えてくれます。最大キャパシティは200ユニットで各々のプレーヤーが保持できる数です(ユニットによっては1以上使う場合があります)。通常分母に表示されるサプライキャパシティが大きい方が有利とされ、どのシナリオでも相手に脅威を与えますが判断材料の1つであり他にも勝敗に影響を与えるデータがあるので一概には言えません。 次にミネラルは青色、ガスは緑色で表示されます。ゲーム内で表示される資源のミネラルも同様に青色でガスは緑色です。この二つが資源を構成していてプレーヤーが施設やユニットを生産するのに必要な全てを賄います。ミネラルやガスが多ければ多いほどユニットをより多く生産できたり研究ができたり、より多くのアップグレードする事ができます。バンクと呼ばれるビジュアルエイドがあり、これはミネラルやガスを毎分どれくらいの量採掘できているか教えてくれます。この情報を理解する事で誰のセーフティネットがより大きいか分かりゲーム開始より40分ほど経過しマップにある資源が乏しくなっている時に知っておくとゲーム後半の流れを知る上でも良い判断材料になります。資源力が高いプレーヤーは採算を少し度外視した戦いができ、資源力が乏しいプレーヤーは採算を気にしながら軍隊を作ったり戦ったりしなくてはいけません。 画面右の方にはアップグレードカウンターが付いています。画面に表示される情報は大体説明してきましたが、同種族の対戦などミラーマッチの時にとても役に立ちます。例えばザーグ対ザーグで両プレーヤーともローチ・ラベンジャービルドをしている時にそれを把握するには誰がより多くのユニットを保持しているか、そして直ぐ次に誰がどの研究を終えて何をアップグレードをしているかです。通常このビルドをする場合、アップグレードは平行で行うのですが例えば途中で研究施設が破壊されアップグレードが中断した場合、7体のローチと2体のラベンジャーは2/1のアップグレードでもう片方のプレーヤーは1/1でしたらユニットが少ない方のプレーヤーにオッズが少しだけ有利に傾くかもしれません。次にアップグレードがどの様にゲームに大きなインパクトを与えるか良い例がありますので、ご紹介します。テラン対テランの闘いの場合、片方のプレーヤーが5機アップグレード無しのバトルクルーザーを保有し、もう片方が2機のバトルクルーザーで3/3のアップグレードを完了していて、双方共にヤマト砲を研究していない場合。勝つのはアップグレードを施した2機のバトルクルーザーです。理由としては装甲が強化され、攻撃力もアップしているので防御力が高く相手に与える攻撃がアップされているからです。時々アップグレードのAPM(アクションパーミニット)ゲージが右側に表示される事があり、観ている人たちにプレーヤーがどれくらいマルチタスクができているかを教えてくれ、プレーヤーの上手さを表す値とも言えます。この数は場合によって少し誇張される時がありますが、現実的に見積もっても50以下が正しいかもしれません。 フィンランド出身のセラル(Joona "Serral" Sotala)が唯一600APMを叩きだせるプレーヤーかもしれません。そしてそのアクションの1つ1つがゲームを勝利に導く意味のある意思決定に基づいている継続的なAPMとしてカウントできると言えます。何故かと言うと誰でもAPMで600を出せるかもしれませんが、そのアクションの1つ1つがゲームにインパクトを与えていないと意味がないからです。右端にオブザーバーがクリックしたアクションが見れますが、これはキャスターが何をこれから解説しようとしているのか、または解説しているのかを教えてくれたりオブザーバーが重要だと思った事などを示してくれると理解してもらった方が良いでしょう。他にもユニットの体力など激しい交戦の後にどれくらい双方の軍隊が残っているのかやあとどれくらい戦えるのかなど、特定施設で何が起きているのかが分かるゲージなどもあります。これらは15秒くらいでアップグレードがどれくらいまで進んでいるのか把握でき、時々高いプレッシャーの中でこのアップグレードが完了してから相手と交戦するのを待っている、またはアップグレードが交戦開始から10秒経過後に完了したけれど軍隊を半分以上消耗してしまい取り返しがつかないという事も観方を理解してくるとどんな状況なのか分かります。HUDはゲーム進行中の初期で把握しなくても大丈夫です。視聴者ガイドとして存在していて見えないものなどを示す為にあるのでそれを踏まえた上で観方を理解していると細かい情報なども把握できゲーム全体の流れを予想したい時に役立ちます。ここまで紹介しておいてなんですが、大体はキャスターの解説を聞いて何が起きているのかを把握した方が楽な時が往々にしてありますよ! 誰しも関心のある地域リーグがあるかと思いますが、大体は自分の住んでいる地域またはそれに近い地域など時間差が少なくて良いですよね。GSLは韓国に拠点を置いているグローバルスタークラフトリーグで恐らく他のリーグよりもレベルが高いプレーヤーが数多く在籍していますが、だからといってアメリカやヨーロッパに拠点があるワールドチャンピオンシリーズ(WCS)が弱く質が劣るという訳ではありません。WCSにはニーブ(Alex "Neeb" Sunderhaft)、セラル(Joona "Serral" Sotala)やレイナー(Riccardo "Reynor" Romiti)などのスタープレーヤーがいます。この2つのリーグは違う地域で行われているためアメリカやヨーロッパからグローバルスタークラフトリーグを観る場合は時差という壁があります。運が良い事にこのタイトルには天才的なキャスターが数名おり、韓国で開いている大会にも出てくるタストシス、ダニエル・アートシス・ステムコスキやニック“テイストレス”などがeスポーツシーンのキャスターを務めています(本サイトスタッフの個人的意見です)。これらのキャスターがプロプレーをより陽気で面白ろおかしく解説してくれます。彼らは解説を極めていてマッチの最中の表現力がとても高く、時に何もかもこき下ろしそれに使われる言葉には何の意味もありませんし、プロプレーヤーをカチンとさせる事も平気で言います。GSLと同様にWCSも個性に富んだ様々なキャスターを擁していて観戦者達を飽きさせません。ブリザード社が1つスタークラフトプロダクションにおいて間違いない選択をしたのが適正キャスターをマッチに採用した事です。これが決めてかどうかはさておき、観戦者が観続ける動機付けにもなっているかもしれません。 キャスターのトピックについて引き続き解説していきたいと思いますが、先ずスタークラフトシリーズの解説には専門用語や業界用語などがたくさん使われています。一部はスタークラフト1がリリースされた1998年の頃から使われている言葉もあります。この歴史のあるゲームが辿ってきた道の中で長い間プレーしている方でさえも理解できない用語がありますが、覚えるのが難しいという訳ではありませんので一部ご紹介します。数あるビルドの中にはかなり長い名前があり、ほとんどがビルドパスに基づいていてキャスターが使う時に省略されている場合もあります。 マッチが始まってからキャスターが先ず双方のプレーヤーについて紹介をしていき、どの様なゲーム展開が行われるか予想を立てていきます。スタークラフト2のキャスター達はこの空白の時間を埋めるのが天才的に上手いです。彼らは状況を細部まで分解しながら解説し次に何が起きるかどんな展開になるか根拠を示しながら予想を解説してくれます。スタークラフト2に出てくる単語の大部分はゲーム内に登場するものと関連付けられていますので、まったくゲームに触れた事がないプレーヤーよりは触れた事があればそこまで理解するのに苦労しません。例えばストームドロップはワーププリズムが2体以上のハイテンプラー達をドロップした時誰がサイ・ストームをミネラルラインやバイオアーミーに浴びせて再び他の場所へ輸送するという事を短く省略して少しの事でアクションの全体が把握できるように解説しています。スタークラフト2に出てくる用語を理解する為の一番近道はゲームをプレーする事です。もちろん一部の単語は個人が作り出した造語もありますが、大体のタイトルは関連者たちの間で共通化されますので、イレギュラーはそんなに多くないはずです。他にもっと激しいマッチが起きた場合、キャスター達がタッグを組んで順番で解説し、様々なシーンにおけるマッチの状況を把握する事ができます。スタークラフト2では多くてもキャスターは2人までしか必要ありません。たいていのトーナメントは1対1の対戦式なので、カバーする範囲が限られているからです。このゲームはマイクロよりマクロやビルドオーダーにより重きを置いている時が多々あります。 ビジュアルエイドを理解し、キャスター達が説明している状況を把握するにはゲーム初心者や初めて観る人にとっては難しい事がまだあります。一番理解しておいてもらいたいのが、オブザーバーがその時々に変える視点は重要だと思われているからであり、意味のない視点変更はしないという事です。プロダクションタブはそこまで重要な意味をなさないので、マッチの最中にもし何か不自然な事が起きた場合、オブザーバーが直ぐに異変を画面に映し出してくれるはずです。この理由としましてはチェスなどのスポーツと似た理由でこれら対戦は過去に何度も行われていて、オブザーバー自身が元eスポーツプレーヤーだったり現役だったりしますので、異変や状況の流れについてもよく知っています。もちろんプレーヤー毎にプレースタイルも違ってきますので、これらの解説もオブザーバーやキャスター達が対応して説明してくれます。 スタークラフト2はeスポーツの中でもより直感的でたくさんの操作やマルチタスクを要求されるタイトルです。プレーしている側、キャスター側、観戦側にとってもこのタイトルにはそれなりの知識が恐らく他のタイトルよりも要求される深みのある内容です。運が良い事に例えこのタイトルにまったく触れた事のない人でもキャスターがゲームを分かり易く解説してくれます。これらのキャスター自身が元プレーヤーかプロフェッショナルだったので直ぐにマッチを行うプレーヤー同士の思考など理解しやすいのです。そして素人や観戦者たちにも分かり易く説明してくれます。より理解を深めるためにもゲームに一度触れてみてください。そうすれば解説内容も理解し易くなりよりゲームの知識が深まり遊ぶのももっと楽しめるようになります。 スタークラフト2~ビューワーガイド~
スタークラフト2とは
観る際のビジュアルエイドは
次にサプライセクションにおけるワーカーサプライとアーミーサプライについてご紹介します。このタブを観るとより各ユニットの詳細が把握できるので先にご紹介しました白色で表示された全体的なサプライはそこまで重要ではありません。ワーカーカウントを常時把握するのは大事です。ワーカーの数が多ければそれだけ資源を獲得できバンク力を拡大できますので、仮にもしプレーヤーがワーカー数を65前で止めた場合はひょっとしたら相手と交戦をする準備ができたとも推測できます。アーミーサプライは各々のプレーヤーの戦力を示す1つの指標です。30-100まで戦力差が一方的にならない限り誰が勝つか分かりません。マイクロで得るカウンターユニットや防衛ボーナスなど50-75のアーミーサプライなどどちらが勝つかは50%の確率です。ザーグがプロトスと対戦する時のアーミーサプライは大体数の差が必要です。例えばゲームの中盤で多めにユニットを準備して交戦しないとザーグで120体いてもプロトスのサイストーム付きが55体の前では数秒で30体ほどまで削られてしまう恐れがあるからです。これには定説がなく、実証が難しいですが画面上に示された情報を元にHUDを俯瞰してみると大体は両プレーヤーの戦況が把握できます。このサプライ情報を元にプレーヤーが派手なプレースタイルをして相手を圧倒できるか観ている方も予想できるようになってくると観戦がより楽しめるようになると思います。 GSLとWCSとは
キャスターが使う単語について
ゲーム自体を観る場合
オブザーバーが観せたいシーンをよく見てみてください。もし両プレーヤーの軍隊が編成され始めたら通常は交戦が近いと予測できますし、ユニットがまばらで待機が多い場合マッチ自体の流れがより組み立てられていて、観ている方もアッとする様な展開が待っているかもしれません。ゲームのテンポを理解するにつれ、キャスターの解説している事や何を解説していくかも分かるようになります。オブザーバーもプレーヤーの1つ1つの動作を知っていますので、根気よくお付き合いください。
ほとんどのマッチは後半までもつれ込むことはありませんし、プレーヤーが誰か知る事もマッチがどうなるか予測するのに役立ちます。もしプレーヤーが対戦相手よりも格上の場合、ゲームは5分~10分で終了するでしょう。他にも予測可能なマッチがあります。それはプレーヤーが上手いチーズ使いだった場合、シリーズを通して対戦する相手をものの数分で倒す事ができるかもしれません。もし対戦するプレーヤー同士の実力が同じくらいでしたら、25~30分くらいかかるかもしれませんが、時々片方が途中でつまづいたりしますのでそれよりも早まる場合もあります。パズルで例えますと、ピース自体をそれぞれ理解できれば、完成図が把握できるのと同じく、マッチの結果も予想できるようになるかもしれません。 次は何をすれば良い?